地方のミライを明るくするには?
地方のミライを明るくするには?
Reibre2回生のワガツマです。
少しだけ自己紹介。僕は阪大生には珍しい東北出身で、大の旅好き。まだ大学2年生の僕ですが地元を含め様々な地方の現実、問題、それから魅力をこの目で見てきました。
したがってこのブログではそんな僕の視点から現代の地方の姿や僕たち学生団体Reibreの活動を紹介していきたいなぁと思ってます。
さっそく本題に移りましょう。
―人口約7.5万人の地方都市―
闘牛と
鯛めしと
お城で有名なこの街。
そんな素敵な地方都市で素敵な出会いがありました。
その方をAさんとしましょう。Aさんは大阪市天王寺区という大都会から定年退職後宇和島に引っ越された方で、現在は宇和島城の城山郷土館でガイドをしてらっしゃいます。なんでも宇和島に長年のご友人がお住まいで、そののんびりした暮らしに憧れたのだとか。
そんなAさんに宇和島の「悪いところ」と「いいところ」を聞いてみました。
☆宇和島の悪いところ
①若者が少ない
―宇和島には大学がなく、また若者にとって魅力的な仕事も多くありません。Aさん曰く、「優秀な高校もあるけれど卒業生はみんな県外に出て行ってしまう。」とのこと。
②物価が少し高い
―これは都市の割に物価が比較的安い大阪との比較ですから一概には言えませんが、交通の便が悪い宇和島では物価がどうしても高くなるのだそう。
③地元の人の地元への関心が薄い
―「他所から来る人の方がよっぽど宇和島について知ってるっちゅうこともあるんだよ。」とAさん。
☆宇和島のいいところ
④歴史ある城下町だ!
―当時のまま「宇和島城」が現存する宇和島は、最後の宇和島藩主で幕末維新の一端を担った伊達宗城公や「護法の神」と呼ばれた児島惟謙、明治期の法学者穂積陳重・八束兄弟等々数えきれないほどの偉人を輩出しました。こうした宇和島の歴史遺産は今なお多くの観光客(年間約200万人以上だとか)を集めています。
歴史に惹かれたのもAさんの移住のきっかけだとか。
⑤漁業が盛ん
―愛媛県が誇る鯛の養殖のほかハマチや真珠の養殖も盛ん。炊き込みご飯ではなく生の刺身を出汁・生卵と共にご飯にかけていただくスタイルの「宇和島の鯛めし」は絶品です。
漁港・運輸の拠点のほか瀬戸内の離島へ向かう旅客船の港としても用いられる宇和島港は確かに規模が大きいものでした。
⑥盆と正月には人が大勢やってくる
―県外に出て行った人々もお盆と正月には皆帰って来て宇和島の街は大賑わいになるのだそう。「いったいどこから人が湧いてきたんや!」と思ってしまうほどだと言います。
⑦交通事情が改善されつつある
―市街地を山と海に囲まれた宇和島ですが、近年高架の幹線道路が整備されました。
そのほか従来の鉄道路線でも一風変わったイベント列車が走るようになるなど、宇和島からほかの街・ほかの街から宇和島へアクセスしやすくなっているのだそう。
⑧静かでのんびりしている
―大都市と地方では流れる時間のスピードが違います。騒音も都市と比べて地方ではほとんどありません。これはどこにも言えることですが、Aさんのように、人がせわしなく動く都会よりもゆったりした地方が暮らしやすいと感じる人は大勢いるのだとわかりました。
最初「宇和島ってどんなところですか?」と聞き始めた際は悪いところばかりを挙げていたAさんですが、「逆に良いところは?」と聞くと丁寧に宇和島の魅力を教えてくださいました。この場を借りて感謝申し上げます。
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以上Aさんに挙げていただいた宇和島の、いや、ほとんどの地方各地に当てはまるであろう悪い点・良い点を基に「どうすれば地方の未来は明るくなるのか?」を僕なりに考えることにしました。
まず、Aさんが「宇和島のいいところ」として挙げたいくつかの要素を見ていただければわかるように、地方には地方にしかない魅力がたくさん詰まっています。だからこそ多くの人が盆と正月に里帰りをし、退職後都市部を離れ地方で暮らすのです。
しかし、そうした魅力を知る人がそうそう多いわけではありません。都会生まれ都会育ちの人はもちろん、③で挙げられていたように地元の人ですら関心が薄い場合もあります。
もしほんの少しの工夫で、地方の魅力を今よりもっと多くの人に知ってもらえたら。僕たち学生がその一助になれたら。地方を訪れる人・地方に住む人・地方で働く人がもっと増えるかもしれません。
そしてもう一つ。どうすれば地方に若者が増えるか、という問題に関して。例えば大学のない宇和島では、地元に永住する人を除くと卒業後地元で就職する人々(Uターン)やほかの都市・地方から新たにやってくる人々(Iターン)が増加することを期待するしかないのです。
けれども、都市に進学した人々の多くがその都市での就職を考えます。「そもそも地方にはどんな仕事があってどんな仕事がないのか」「地方ではどんな事業を新たに始められるのか」「地方にはどういう需要があるのか」、そういったことを知る機会がほとんどないのがその原因でしょう。
その「知る機会」ですが、現状では結局のところ自分たちで見つけなければなりません。
それでもなんとか情報を今よりもっと探し出しやすく、広まりやすく。都市部の情報や商品がインターネット・高速交通網を通して日本中に拡散するように、今度は地方から都市・ほかの地方へとその波を広げてゆく。
そのためには地方に関心のある学生自らが実際に地方を体験し、多くの人々に伝えていく必要がある、、、うまくいけば地方に若者が増え、今以上に活気のある地域が増えていくのではないか。僕はそのように考えています。
最後になりますが、「地方のミライ」は我々若い世代の興味関心によって明るくも暗くもなりうるものです。僕は地方と都会のどちらも必要以上に礼賛する気はありません。ただ少しだけ地方の現状・魅力に目を向けてもらえたら……それが僕たちReibreの願いです。